紫外線による肌の老化を「光老化」と呼び、専門家が注意を促しています。
「紫外線の肌のこと、もう一度きちんと考える必要」があります。
光老化は30代から始まる
真っ赤に日焼けした肌がだんだん黒ずんでくるのは、表皮の中のメラノサイト(メラニン産生細胞)がメラニンを作って皮膚の表面に現れる結果です。
メラニンは、皮膚の細胞DNAが傷つくのを防ぐとても大切な役割を担っています。
肌にはもともと紫外線に対する防御機能が備わっているのです。
ところが、たくさんの紫外線を浴びると、肌はその「異常事態」に対応して必要以上にメラニンを作り続けてしまい、しみとなってしまうことがあります。
35才前後から目立ってくるしみは「光老化」の初期のあらわれ。
また、しわも単なる加齢によるものと光老化によるものとでは異なります。
加齢とともにお尻などによってくるしわは、小さなちりめん状のしわですが、光老化によるしわは深く大きなしわになります。
これは真皮がダメージをうけてコラーゲンや弾力線維であるエラスチンの性質が変わってしまい、皮膚が弾力やハリを失ってしまいしわになるからです。
DNAへのダメージと活性酸素
紫外線によって皮膚がダメージを受けると、表皮細胞の遺伝子(DNA)に傷がつきます。
真夏の快晴の昼間に太陽の光を1時間浴びると1つ1つの細胞の遺伝子に100万個も傷がつくといわれています。
細胞にはそれを修復する作用があるので、2~3日もすれば自然に修復されますが、メラニンを作る細胞のDNAに傷がつき、修復されないままになってしまうと、その細胞はメラニンを必要以上に作り続けかねません。
そうすると、しみとなることがあります。
また、紫外線を浴びた表皮が赤くなり、炎症を起こした部分では活性酸素が作られます。
活性酸素とは酸素が変質したもので、これによって細胞の膜が酸化され細胞の機能が妨げられます。
くぎが長い間空気にさらされてさびてくるように、皮膚も紫外線によって炎症を起こした部分が活性酸素に長い間さらされることで老化が進んでいきます。
これが「光老化のメカニズム」です。
人はもともと体内で発生する活性酸素を消去する酸素を持っており、活性酸素の害から体を守る機能がありますが、だんだんこの機能も低下していきます。
また、活性酸素を消去する働きのあるものを抗酸化物質といいますが、人の体内で合成される酸素をはじめ、ビタミンCやビタミンEなどのビタミン類やポリフェノール、カテキンなどにもこういった働きがあると言われています。
肌の老化の約80%は紫外線による「光老化」が原因。
これを防ぐには何より紫外線を避けることが一番大切です。
普段の生活のなかでの紫外線対策が、肌の老化を防ぐことにつながります。
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